2009年9月14日月曜日

2009年6月13日土曜日

第8回議事録

日時:2009年6月9日(火)14:00-20:00


場所:andonando渋谷公園通りショップ
参加者:(造形)粟野、糸長、蒲、公文、坂本、鈴木、橋本、松田、三澤、山本
     (上智)日置、吉越、秋山

本日は制作計画について個別ディスカッションを行いました。
プロジェクト全体は4月2回はコト起こし、5月まで3回は開墾・開発をして、5月末の第6回から制作計画へと進んで来ています。
第6回はフリー・ディスカッションとブレーン・ストーミングを1時間ほど行った後、本学図書館所蔵品から、作る、表現する楽しみがいっぱいつまったアーティストブックに直に触れて「本」のイメージを広げました。
第7回はまだ制作計画にいまいち踏み出せずビジュアライズが進まない状態でした。
第8回の今回、予定では、最初の1時間ほどを資料持参での制作計画発表、後半は近所のアートブックショップを散策して、モチベーションとイメージの模索と決断を進める考えでした。
しかい会議を始めてみると、前回まで公表していた制作計画にはっきりと自覚できていない部分があってまだ自分の計画になっていないことがあらわになり、話し合いは徐々に深まり個別のテーマになっていったので、気がつけば2時間ほどがたち、外に刺激を求めることは不要な空気で外出をとりやめ、そのまま内面を熟成させることにしました。
18時頃に中締めとした後は、各自小単位になってテーブルを分かれ(喫煙室に移動、など)、さらに20時すぎまで議論しながら計画が具体的になっていきました。
そして今度の日曜日、普段の火曜日開催ではなかなかまとまった時間参加できないeditonメンバーへの公表と、造形大メンバーがお互いの計画を理解し場合によっては提携したり、ウエブデザイン担当がサイト設計をするための全体把握を目的として、臨時プレゼン会議を開くことになりました。

第6回から大きな模造紙をひろげて話し合いをしていたのは、言葉だけで計画を形作ろうとするのではなく落書きの手を動かしながら話してみることをすすめるためでした。
たとえば言葉で「かぐや姫」と言うだけでは造形しきれないものが、「かぐや姫」の絵を描くことでディティールを決定せねばならなくなり自ずと自意識を投影した「かぐや姫」の個性(キャラクター)が現れてきます。
そこから情景、状況が定まってくることでしょう、そして物語が立ち上がります。
「視覚化」することにはそのような有用性があります。
また、既存の物語を読み直すこと、あまたの人の手で描かれて来た人物を描きなおすことは無意味ではなく、一種のミミクリー(まねっこ=鏡効果)学習をスタートとして必ず新たな差異が生まれる意味があります。
その意味を価値化できるかどうか、が、表現者としての力量であり、人間としての細やかな感性がはかられるところなのです。

というわけで、勇気と楽しみをもって迷いながら進んでください。

2009年6月12日金曜日

第7回議事録

日時:2009年6月2日(火)13:20-17:00
場所:東京造形大学 7-407
参加者:(造形)粟野・鈴木・三澤・高澤・坂本・公文・谷中・折原
     (上智)日置


前回に引き続き東京造形大学にて、机の配置もそのままで模造紙を敷き、
粟野先生と日置先生のお話を伺いながら、各自やりたいことの構想を練りました。
進捗はあまりありませんが、いかにしてこの絵本プロジェクトを進めていくべきか、
もう6月なので、そろそろ核心に迫れるようにしなければという話に。


ところで今回の出席者は非常にラッキーです!!!
日置先生の素敵なお心遣いで、花畑牧場の生キャラメルをおやつに戴きました♡
お味は、ホワイト・プレーン・抹茶・夕張メロンです。とっても美味でした・・・
出席者が少なかったため、沢山食べちゃいました!ご馳走様です♡



①模造紙にまとめたものをもう一度洗い直し。

【事典組】と【創作組】の2つに大きく分ける。
 →前回この2つのグループに分けられなかった少数派の清水さんや三澤君はどうしましょう?

(.....清水さんは実家の岡山に帰ってるそうなので、とりあえず地元の昔話などを調べてください、との事。
 勿論お土産もあるよね?なんて。みんなで密かに期待しています。)



②粟野先生のお話。

◆青山県立美術館(奈良美智さんの作品など
 子供のための美術プログラム、ワークショップを行っている。
 鑑賞だけでなく創作することで内側に入ってみる事を体験させるのが目的。
 現代美術は解りにくく解釈に戸惑う場面もある。→人々を遠ざけてしまう。
 "いかに相手に相手に考えさせるスキ(隙間)を与えるか/発見させるか"
 これがエデュケーターのお仕事。

 
◆絵本版・触れるおもちゃ(幼児のためのフェルトとかシールとか布とかの)
 これは未完成品(的な)状態で、見る側の人が創作することで意味を成す絵本。
 見る側が苦しくなるから、入り込む余地があったりすると、人ってそこに入れるよね。
 (例:"さて、この後どうなるでしょう?"などの問いかけとか)
 ちょっと前に粟野先生が持って来て下さった、浦島太郎とかぐや姫の蛇腹絵本のように
 完全にこちらで記号化して創る方法も良いかも。


◆中央アジアの石刻絵画
 
 (うろ覚えですが、こんな感じ。)
 内接円を書いて、中心点をつけて線で結ぶと、その物の骨格がわかる。→似た物がわかる。
 これらを表にしてまとめてみたりするのはどうだろうか。


すべらしパズルゲーム「箱入り娘」と「柵囲い牛」
 参考URL→ http://ja.wikipedia.org/wiki/箱入り娘_(パズル) 
 レイトン教授のゲームに似てる(?)。数学的思考、それぞれの記号に役割を与えている。



◆オルフェ(古典)映画
 黒いオルフェ(ブラジル映画)→オルフェのリメイク。
 参考URL→ http://cinema.werde.com/new/orfeunegro.html



◆東大の知覚研究室(障害者支援)、Living Library
 『Living Library』.....本でなく人を貸し出している。むしろ人を本としている。
           生きている本。人と会話して知識を得る事が目的。
 所謂、"語り部"。その現代版のようなもの。語り部図書館。

 参考URL→ http://living-library.jp/livinglibrary.html
 本と一言でいっても、このようなものも存在するのです。
 障害者や同性愛者など、興味深い実体験をその本人から直接聞ける。

 人間は、覚える(記入)・貯める(保持)・利用(放出)、この3つで成り立っている。
 ところがそれが欠けた障害者は、相当異質な空間で生きている感覚に襲われているのではなかろうか。
 など。本にある活字では得られない、貴重なお話を伺うことが出来る。


◆日本点字図書館、点字毎日(新聞/週一回)
 参考URL→ http://www.nittento.or.jp/
       http://www.mainichi.co.jp/corporate/tenji.html
 これは、言葉で絵を作っている。(絵が言葉になる。)




③これから創る物の方向性を各自決める。

◆松田さん→全員の作品をWEBを媒介としてまとめる。
     WEBの総取締り。アートディレクター。

◆私(坂本葵)→「キャラクター大全集」西洋・東洋・時系列・男女関係なく、まとめて事典のようにする。
        最低でも100人、出来るだけ多くのキャラクターをピックアップする事が次の仕事。

・・・・・ちょっと私の方で、皆さんの詳しい今後の方向性を記載するのは困難なので、
これを読んだら各自、これからやることを簡単に文章にまとめて投稿してください。


6月9日(火)に渋谷の「and on and(ドーナツ屋さん)」で開催された授業の、
第8回の議事録は、みなさんの投稿によって成り立ちますので、よろしくお願いします。


次回の会議は、イレギュラーで6月14日(日)朝10時から渋谷で。(詳しい場所は後ほどアナウンス)
上智大の方々はここで、私どものプレゼンを聞いた後に、どのような形で協力していくか、
どの制作に参加をしていくかを考えていただくことになると思います。


以上、第7回議事録係、坂本葵でした。大変更新が遅くなってしまい申し訳ございませんでした。
何か補足・修正等ございましたら、書き込みよろしくお願いいたします。

2009年5月30日土曜日

第6回議事録

日時:2009年5月26日(火)13:20-17:00
場所:東京造形大学 7-407
参加者:(造形)粟野・鈴木・三澤・河合・蒲・高澤・清水・坂本・大山・公文
     (上智)日置・吉越



■今回の流れ
①自分の考えの出し合い
②造形大の貴重書の閲覧
③役割分担


今回は東京造形大学にて行いました。
机の中央に大きな紙を敷き、話しながらペンで書き込み、ポストイットをぺたぺた貼りながら話を進めました。
始めは戸惑ったものの、謎のミサワールドが展開され場が和む。
Yes we can.


①自分の考えの出し合い
これまでの話を元に、各自のアイディアや考え、やりたいことをポストイットに書き込み、思い思いに貼り付けました。
それをグループ分けすると、こんなかんじ。

1・創作系
2・視点を変える系(創作系に含まれるかも)
3・事典系

1・創作系
○日本の主人公と外国の主人公の違い
 ・国によって愛される人物像は違うと思うので、比較してみる
 ・日本では、できない人間が成長することが多い
 ・アメリカなら始めから強い主人公が多いのでは?
○人物ではなく出てくる動物ごとにまとめる
 (トラ、はと、青い鳥・・・など)
○キャラクター全集
 御伽噺・言い伝えに出てくるキャラクターとピックアップし集める。
 見開きの左に絵、右に知られざる話など。
○違う物語の登場人物が混在する物語
○2009年度ver新・昔話を作る
 「教え」「少ない登場人物」で成り立つ物語を現代風に創作。
○時代に合う話・時代に合わない話
 共感できない話を今の時代に合わせる
○創作活動によって「オリジナル」は作れるのか
 結論から言えば作れないはず。
 東西、今昔、よく似た物語があったことからもそれがわかる。
 作り手も受けても、いつだって人。ニーズや社会に合わせて変化・アレンジはして
 いくが・・・
 オリジナルは作れないが、素敵なもの、面白いものは作れる。
 そのためには先人の残した足跡、匂いをなるべく新鮮なものにせねばならない。
 作品の構成要素を新鮮にしていけば、いくことができれば、素敵なものになるはず
 だ。(創作理念の話)
 これを踏まえると・・・「新・昔話」が作れるのでは?
 現代版の「昔話」とは・・・?

2・視点を変える系
○立体的な視点でまとめる
○中国模造問題
 日本人は中国の模造品問題を叩くが、昔の日本人も中国に対して
 同じことをしていた。日本人目線でものを見すぎじゃないか?
 当時の日本人の模造作品を第三者目線でやってみる。
○宇宙人からの視線的な第三者目線の物語

3・事典系
○昔話の根源集
 「桃太郎」「金太郎」「かぐや姫」など昔話の元ネタ集。
 歴史年表(一般的なもの)に繋げ、深くて良い歴史教科書(初級)に。
○昔話ってそもそも何?
 ・その時代に合った話?
 ・単に「昔語られた話」ではないはず
○似た話めぐり日本列島
 日本各地に点在する似た昔話を地図上に表記すれば、似た話が密集した地域と
 全く無い地域が見えて面白いのでは?
○ハッピーエンドの物語とバッドエンドの物語まとめ
○昔話・神話の”教え”集
 「金の斧」など我々の幼少期によく読んだ話の”ねらい”や”教え”を
 ピックアップし、これらの在り方について考察していく。
 国内外の話を取り上げ、似ているものの関連付けを行ってみる。(考察重視)
○昔話や伝説にまつわる教えや教訓、名ゼリフ等をまとめ直す。
 人生教訓本やカレンダー発行。
○似た話だが意味が違う話集め「道徳本大全」
 世渡りのいろはをお話を通して学ぼう。


②造形大の貴重書の閲覧
これは絵本プロジェクトです。
でも、本ってつまり、なんだろう?
東京造形大学の図書館には、普段生徒が見られない貴重書が保管されている。
アーティストが編集にまで携わった、本自体がその人のコダワリの作品という、そういう本。
作品としての本を見ると、何かインスピレーションを得られるかもしれない!
というわけで、今回は授業のため、特別に見せていただくことに。

巻物、カバン形の本、パッケージされたお菓子のような本、飛び出す絵本、宝物集めました!的な本・・・
本に見えないけど、全部本なのです。




③役割分担
いよいよ制作に入るにあたり、役割分担。
ポストイットで意見を出し合ったところ、大まかに2つのグループに分かれた。
物語創作系と、事典系である。
創作系は、事典系の話をベースに進めていくことになりそう?

○事典系
収集系はたくさんの情報が必要なので、図書館、ネット、取材などでどんどん集める。
○創作系
ベースとなる物語が必要なので、始めはやはり事典系とともに協力して情報を集める。

アイディアは無いけど手は動くよ!という人にイラスト、文章を書いてもらう等して、協力して進めても可。制作ノートのような段階でも、作品になります。
とにかく協力して作業を進めましょう。
一つ一つの作品ではなく、みんなの作品を束ねて一つの作品となるのです。
共同作業。

2009年5月25日月曜日

第5回議事録 — 後編

長々とおつき合いいただき有難うございます。後編です。

引き続き「地元の昔話、興味を持っている地域の神話、宗教の聖典にみられる訓話」について。
次は、清水さんが地元岡山の「桃太郎」について詳しく調べてきてくれました。


—————————

・清水さん:「時代ごとの桃太郎」

実は桃から生まれていない桃太郎。
起源は邪馬台国の戦争から…
この最初の桃太郎が、時代によって様々に変化する。

以下、清水さんからの資料。

・江戸時代初期の赤本『桃太郎話』『桃太郎昔咄』=回春型

薩摩政権=万国と並び立つには人材育成が不可欠と考える
・ 明治20年 検定初頭教科書『尋常小学読本』に桃太郎を採用=果成型へ
赤本→教科書への書き換え
◆ 性話を削除 子供の誕生を疑問に思い本筋から離れてしまわないため
◆ 討伐の動機 宝物を取りに行く侵略者→悪い鬼を懲らしめに行く討伐者
◆ 供の動機  きびだんご欲しさの従軍→人格に惚れた参加
◆ 鬼     分捕られる→自発的になびく
=薩摩政権は桃太郎を通じて国を守り、孝行を尽くし、悪と対峙する正義の味方というイメージと教訓性を形成しようと試みた
・ 明治33年 歌唱を作る=国家にとって期待される桃太郎像を音楽教育面からも子供に植え付ける

・1910〜20年 大正デモクラシー期にかけて表れた児童文学運動の担い手であった童心主義者によって、男性的な若衆→可愛らしい中性的な少年へ
・昭和8年 公教育の場でも童心主義思潮となり国定教科書でも少年桃太郎に

軍国主義時代=軍国主義のシンボル化へ
◆明治37年(日露戦争期)『明治桃太郎』明治生まれの桃太郎が軍服姿でシベリアにある鬼が島へ向かう
◆ 昭和8年『少年倶楽部』の中の「桃太郎遠征期」桃太郎が悪魔の支配する外国を制覇し天皇陛下の教えを広めていく連載小説の始まり
◆ 昭和17年(第二次世界大戦期)『進め!桃太郎』戦闘機に乗って爆弾攻撃
◆ 昭和18年 東宝漫画映画『桃太郎の海鷲』風神特攻隊になって真珠湾攻撃
=戦意を煽り正しい戦争をしているのだという宣伝効果を軍部は期待した

・昭和20年 敗戦=“戦気高揚の罪”で米軍により戦争犯罪人に指定された
・ 昭和25年 『ただの桃太郎』で復活

桃太郎の「勧善懲悪」という基本的なストーリーは変わらないものの、その時々の歴史背景にマッチした桃太郎に書き換えられた

洗脳のため、桃太郎が使われていたことがよくわかります。
時代ごとに並べてみると非常に面白いですね。


日置さん:
あえて「子供」にする 金太郎と桃太郎
→「男性的な若衆→可愛らしい中性的な少年へ」という部分

「子供が頑張って悪をうち、富を得る!」という構図を明治政府が子供へ植え付けた。

・男の子の立身出世
・女の子の玉の輿


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高澤さんより追加資料:
・世界の神話伝説より
・悪魔事典
・妖精事典

物語に「悪」は必要である。

公文さん:
物語には善悪が存在すると思った。



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本日のまとめ


全体の流れ
  • 幼少期に素直に信じていた話も捻くれた見方がある。
  • まったく「無」からの物語はあるのか?という懐疑。探すとなにかのきっかけがある。
  • すでにある話の中をいじるのではなく、既にある話に話をかぶせる構成もある。

造形生:これからの作品への展開について
  • 坂本:神話やファンタジーなどの物語の方向性をまとめたものをやってみてはどうか
  • 小野:今出てきているものをまとめて再度考える必要があるのでは
  • 公文:伝えていくうちに変わってしまうわけではなく、手を加えて変わってしまった話が気になる。(ex:桃太郎/ヤマタノオロチ)
  • 糸長:童話など子供に教えるための物語、大人のために変えられた物語時代によるものもある。今の時代にあった物語をつくるべきか。
  • 橋本:ストーリーの原点をもっと勉強すべきか?
  • 松田:「きっかけ」が気になる。樹形図にして全ての物語のはじまりがあるとしたらおもしろそう。
  • 清水:物語を多方面から見る立体的な見方が面白いと思った。数話の別の話で一つの物語の世界が見える。
  • 折原:登場人物の異常性を伝播する過程に物語がついた可能性はないか?
  • 秋山:物語を立体的に見せること、相関図的に物語をつくって一つの読みやすい話を一話ではわからなくても全体で見てなるほどと思うことが面白いのでは?
  • 高澤:昔話は今はもう通じないのではないか?時代と合致しないから共感できない、イメージができない。生き残っている昔話はあるのか?
  • 椙田:糸長さんの「ロミオとジュリエット」の物語の方向性=新しい見せ方が面白いと思った。


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日置さんより:


発祥・発展は調べた。
残った物語
(元は〜だったが、現在も形式を変えて残っている物語)に注目してみよう。


何故残ったのか?


→形式が、マーケティングの面・時代背景などいろいろな理由により変わってはいるが、結局は読者の聴きたいことが残っている=それは必然である。



御伽噺(おとぎばなし)


伽…話し相手になって退屈を慰めたり機嫌をとったりすること

=「お話で暇をつぶすこと」


ex:「アラブの千夜一夜物語」

王に殺されそうな主人公が、千夜に渡って毎夜王に話をしては気を紛らわさせ、終に殺すのを止めさせたという物語。



必然とは別に話=エンターテイメント



話=エンターテイメント

→踊り

→音楽 …などとして存在

人間は物語を楽しむという性質をもっている。


「昔話が共感できない」というのは確かにそうだが、現在もシチュエーション・形を変えて生きている。

…アニメ、コミック、携帯小説



物語の形式、人物の中身はどれもかわらない。
形=衣装を変えてあげているだけである。

それでは、オリジナリティはあるのか?ということになるが、何の衣装をまとうかで名義はできる。

そこにどんな自分の考えを入れるかが作家性。

どのように見せるのかがデザイン性。


「異常者からの物語」という考え方は面白い。

今で言うと薬付けの人物、なんでもかんでも死ぬというシチュエーションか。


週刊誌の題決めの定理

・誰もが気になっている

・言われるまで誰もが気がつかない

・ 誰もが触れたがらない

→この3つのうちどこかが使われている。


物語も同じことが言える。


最後に:

検証した物語を古いから捨てるのではなく、時代の価値観、私たちの考えること・野望をどのように服として着せるかを考えてみてほしい。

第5回議事録 —中編

前編に引き続き
「地元の昔話、興味を持っている地域の神話、宗教の聖典にみられる訓話」
について。
次は糸長さんが、変わった面白い話をしてくれました。


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糸長さん:「ロミオとジュリエット?」

原作/藤子・F・不二雄、画/小森麻美
「宇宙人レポート サンプルAとB」
「気軽に殺ろうよ!」「SF短編PERFECT版 4」などに収録)

藤子F先生が原作のみで、絵は少女マンガという異色作。視点は藤子チック。
たしかに、かの有名なラブストーリー「ロミオとジュリエット」ではあるのだが、シュールで最後は考えさせられる話になっている。

はじまりは、宇宙人から見た地球の話。
人間とはなんであるかというのを、宇宙人の視点から見ているのだが、宇宙人が人間という生命体を観察するにあたって、観察対象を決定する。
そのサンプルが「サンプルA」=「ロミオ」と「サンプルB」=「ジュリエット」というわけ。
内容はロミオとジュリエットなのだが、感動の涙がたまるシーンも「受光孔(目?)が大きく開かれ・・・・・」というように、科学的目線でとらえられてしまう。
ラストは、「人間の愛とか心とはなんなんだ」という切ない終わり方。



「宇宙人レポート サンプルAとB」と考え方が近いお話:
・マネキンを使った人形劇「オー!マイキー」(youtube参照
・ホットペッパーのCM(youtube参照
→物語の絵と内容(ふきかえ)とをすり替え、新たなストーリーをつくる

「話の外に、もう一つの話で囲む」という面白い構成の物語でした。
短いお話ですし、短編集に入っていたその他の話も面白そうだったのでSF好きはぜひ。


次は、小野さんが民話を紹介してくれました。


—————————

小野さん:「カンボジアの民話/欲張りな人」

「金の斧、銀の斧」と似ている構成ですが、結果が逆になるというお話。

お母さんが、芋掘りを娘に頼みました。
娘が芋を掘りに行くが、掘っている最中、クワの歯を深い穴に落としていしまいます。
困っているところに、怪我を負った虎がやってきました。どうやらその怪我は、以前負った怪我らしく、手当をしていないため、傷口にウジ虫がたまっていました。
虎は、女の子がクワの歯を落として困っているのをみて、「ウジ虫を傷口からとってくれたら、私がクワの歯を持ってきてやろう」といいます。
女の子はクワの歯をとってもらえるということで、虎の傷口にいるウジ虫をとることにしました。
ウジ虫をとっていると、虎は「傷口は臭くないか?」と女の子にしつこく聞いてきます。
たしかに傷口はとても臭かったのですが、女の子は「とても良いにおいよ」とうそを言います。
そして、ウジ虫を取り終え、クワの歯を取ってきてもらい、無事女の子は芋を掘ることができました。
芋をカゴに入れるときに、虎が「私がカゴに入れてあげよう」といって、芋を入れるのと同時に金銀をカゴに入れました。
女の子には、「家に帰ってしっかり戸締まりをしたあと、家族そろっているときにカゴを開けなさい」と念を押して言いました。
女の子が家に帰って、言われた通りにすると、カゴには金銀が入っていて、その家族は貧しさから逃れられました。

さて、それを聞きつけた別の家にお母さんが、自分の娘にも同じことをさせました。
同じように芋を掘りにいき、クワの歯を穴に落とすと、傷を負った虎がでてきました。クワの歯を取ってくる代わりにウジ虫を取ってくれと言われたので、女の子は傷口のウジ虫を取り始めます。
すると、同じように虎がまた「傷口は臭くないか?」としつこく女の子に聞いてきます。今度の女の子は、正直に「とても臭いわ」と言ってしまいます。
虎は、芋をカゴに入れてあげる時、たくさんのコブラも一緒に入れました。
その後、同じように「家に帰ってしっかり戸締まりをしたあと、家族そろっているときにカゴを開けなさい」と虎が言ったので、女の子は言われた通りにすると、コブラがでてきて、その女の子の家族はみんな死んでしまいました。
最終的な終わり方は「欲張ってはダメですよ」という教訓でおわる。


内容が似ている「金の斧、銀の斧」とは、正直者と嘘つきの結果が違う。
カンボジアの民話は、「優しい嘘」?


粟野先生:
臭いと正直に言う→思いやりの正直さ 親が子どもに教える感じか
良いにおい!と言う→偽善的ではないか?と思った

または、「良いにおい!」と言った女の子は臭いにおいフェチだった?(笑)


においフェチについては置いておいたとしても、正直者と嘘つきの結果の差がこうまで違うとどちらが本当の道徳なのか混乱する。



この話には別の意味があるのではないか?


小野さんからの補足:
カンボジアでは、「虎=強者の象徴」という意味がある。

ということは、つまり権力には従っておけという戒め、
表向きは「欲張りすぎてはダメ」という教訓と見せかけた世渡り術なのではないか?


日置さん:
戦時中(内戦中?)のカンボジアでは「学校に行っていました」「英語がしゃべれます」と言う人は、殺されてしまっていた。(政府に逆らう可能性のある芽はつむいでおくということだと思われます)
=この「正直者と嘘つきの結果の差」は土地柄では?

またこの話をする場所にもよるのではないか。
母から子へ/寺院などでの言い聞かせ。

虎=強者 からの 「褒美」=金銀/「制裁」=コブラ



その土地の歴史が、民話には色濃くにあらわれているというのがよくわかりました。

さて次も民話ですが、今度の民話は椙田さんの地元の埼玉県飯能市のお話。


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椙田さん:「埼玉県飯能市に伝わる話/近親者殺し」

2人の兄弟がいました。兄は目が悪く、弟が仕事や身の回りのことをして生活していました。
食事のとき、弟はいつも「おいしいおいしい」といって食事をします。
兄は目が見えないので、いつもおいしいという弟の食事は、もしや自分とは違うもっと良いものを食べているからおいしいと言っているのではないかと疑いはじめます。
ある日、疑い続けた兄が、「お前は俺より美味しいものをくっているからおいしいと言うんだろう!俺を騙したな!」と言うと、弟はショックをうけ、兄に「では、喉を裂いて確かめてみればいい」と言います。
喉を裂けと言われた兄が言われた通りに弟の喉を裂くと、弟は麦飯や芋の皮を食べていたことがわかりました。
弟は少しでも兄に良いものを食べてもらおうとして、自分は粗末なものしか食べていなかったのです。
それを知った兄は、弟を助けようとしますが、弟は帰らぬ人になってしまいました。
悲しんだ兄は、泣き続けてホトトギスになってしまいました。

「近親者を殺してしまう」という部分に着目:
森鴎外の「高瀬舟青空文庫で読む)」
ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟
これらも似た要素を持っていることに気づく。
弟などを近親者を殺すことはタブーなので物語になりやすいのではないか。


この兄弟の話は民話なのでつっこみどころが多い気がしますが(笑)
「タブー」という要素は物語が盛り上がりやすいとともに、
「近親者殺し」=「異常者」ということにもなるのでしょうか。


さて次は折原さん。
只今調べ中ということで、アラブ系物語について少し語ってもらいました。



—————————

・折原さん:「アラブ系物語について」



アラブ系物語の起源についての予想:

「アラジン」のようにファンタジーのイメージが強いアラブ系の物語であるが、
イスラム教は一神教ということで、偶像をつくることが禁止されていたため、
文字や模様などにして神をあがめるというのが物語の背景にあるのではないか?


アラブ系物語というと、「アラジン」のディズニーのイメージしかないが、イスラム教が背景にあって神を物語に反映しているのではという考えは面白いですね。


2009年5月23日土曜日

第5回議事録 —前編

日時:2009年5月19日(Thu)14:00-19:30
場所:桑沢デザイン研究所 7階72教室
出席:
[造形]粟野、糸長、小野、折原、公文、坂本、清水、高澤、橋本、松田

[上智]日置、秋山、椙田



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本日の机配置



教室の場所が変更されたため、机の形が変わりました。
距離的にも近からず遠からず、全員の顔を見渡せ、真ん中に資料やお菓子を置き、全体的に和みつつ自由に発言できたのではと思っています。



本日の参考資料&差し入れ


・飛び出す絵本や珍しい絵本を参考資料として持ってきていただきました。

・おーいお茶
・午後の紅茶(ミルクティー)
・ミニルマンド(チョコがとても美味)を差し入れで持ってきてくださいました。

日置さん、いつもありがとうございます。


—————————

本日のテーマ

「地元の昔話、興味を持っている地域の神話、宗教の聖典にみられる訓話


前回から引き続きの内容です。
前回発表できなかった方、また前回の内容に付けたしという形で話し合いが行われました。




秋山さん:
「地元 御殿場の話/富士山/かぐや姫」


秋山さんからは、地元御殿場にまつわるお話。 
富士山の麓にある御殿場の近くには、足柄市の金太郎話や、かぐや姫の話、富士山が不老不死の薬を焚いた場所ということで「不死」→「富士」という名前の由来になったという話があるそう。

そんな御殿場について、今回紹介していただいたのは、「湯立神楽」という秋山さんの地元にある湯立神社にある秋祭りの話。

起源:村に疫病が蔓延、疫病から逃れるためのものだった。現在は、年に一度村に平穏と豊作を祈って祭りが行われている。

内容:煮えたぎる湯の周りで5つの舞を踊る

補足:雨乞いの意味もあり、「六根清浄」と言いながら川に入って身を清めた後、雨乞いをする。

ここで秋山さんは上智大学へ・・・お疲れ様です。
その後、「富士山でどうして不老不死の薬を焚いたの?」という疑問から、不老不死の薬はどこからきたの?かぐや姫って結局どういう話だっけ?
と、いろいろ混乱。wikiを参考に「かぐや姫」について話し合ってみました。



・かぐや姫
竹から生まれた(?)かぐや姫が月へ帰ってしまう「かぐや姫」という話は、一見ただのファンタジーに見えるが、何か道徳的に説くものや物語の性格はどうか?という疑問から、物語の種類(ex:末子成功譚)について調べていくことになった。
wikiによると(以下引用)
・竹中生誕説話(異常出生説話)=かぐや姫が竹の中から生まれた
・急成長説話=かぐやが3ヶ月で大きくなった
・致富長者説話=かぐや姫の神異によって竹取の翁が富み栄えたという
・求婚難題説話=複数の求婚者へ難題を課していずれも失敗する
・帝求婚説話=帝の求婚を拒否する
・昇天説話(羽衣説話)=かぐや姫が月へ戻る
・地名起源説話=最後に富士山の地名由来を説き明かす

非常に多様な要素が含まれているにも関わらず、高い完成度を有していることから物語、または古代小説の最初期作品として評価されている。

「異界から来た人が、地上人を救って、元の世界に帰る」という部分は、羽衣伝説と同じで中国の話が影響を与えている。また、世界でかぐや姫と似たような話をみると、アパチベット族に伝わる話はかぐや姫の起源になっているらしいことが分かった。

これは、日本にきたお坊さんなどによって伝わったのではないかという予想が立てられた。

また、推理の域を出ない話ではあるが、「かぐや姫」は藤原氏への権力批判がコアにあるのではないかという話もでた。(参考:wiki

よって、かぐや姫は、ただのファンタジーととらえるより、その時代背景と照らし合わせ、政治批判の意味もバックグラウンドに含まれていたのではないかという考えに至る。

→バックグラウンド話

ex:本当は恐いグリム童話

見ている側はどうしても表面しか見ないが、作者はそのコアとして、自分の意見である批判やダークな部分をベースとしている。
そこまで見ていくと本当の面白さがわかるのではないか。



橋本さん:「本当は恐いグリム童話/シンデレラ/白雪姫」


次の話題は、偶然繋がりよく「本当は恐いグリム童話」を橋本さんが調べてきてくれました。


本当は恐いグリム童話のシンデレラ:

終わり方がハッピーエンドではあるが、全体的に鳩がキーになっていて、「シンデレラが結婚のとき、意地悪な姉たちの目を潰してしまう」という終わり方。本人は結婚して幸せに…?

個人的に今思うと、鳩というのは平和の象徴として言われているのに、その平和の象徴で、「仕返し」というのがさらに恐怖をあおるというか、皮肉というか…


本当は恐いグリム童話の白雪姫:

こちらも最後は白雪姫はハッピーエンドなのだが、「継母を結婚式に招待して、熱く熱した鉄の靴をはかせて死なせた」…などなど。
白雪姫が仕返しをするというのもまたショックである。

「実は死体フェチの王子が死体を欲しがったため、白雪姫は王子のもとへ連れて行かれた」
これについては大分衝撃を受けたものだが、「フェチ」=「異常者」という人物設定があったものと考える。

簡単に白雪姫の内容の確認をしてみる。
http://akira-chin.com/search2.php?res_id=4365
いくら殺されても生きている白雪姫、強し。

これら本当は恐いグリム童話は、フィクションなのかノンフィクションなのかが気になるところではあるが、中には作者たちが各地で集めてきたという話もあるようだ。

また、物語の種類はどうかと考えたとき、「悪いことをやった人には天罰」というのを表現しているのかとみんなで予想。
それにしてはひどすぎる気がするが、それは文化の違いではないか?という意見も出た。

恐怖というのは、話題性があり、面白い物語になりやすい。


—————————

ここで粟野先生より補足:

「物語の強度」

かぐや姫もシンデレラも物語の中にいろいろな要素が入っている。
かぐや姫のwiki内でも
非常に多様な要素(説話)が含まれているにも関わらず、高い完成度を有している」とある。
また、これ以上の要素を入れても物語が成立するであろう。

これは、物語の筋道が大切なのではなく、物語の人物や事柄がキーポイントになっているのではないか。




また、人物や事柄の中身が物語の強度をあげている。



登場人物という柱に強度のある物語は、いくら要素をいれても耐えられる強度をもっており、内容が広がりやすい。
また、登場人物や事柄のみが世界に広がり新たな物語が広がったりもする。


2009年5月13日水曜日

第4回議事録

日時:2009年5月12日(火)13:20-17:00
場所:東京造形大学 7-406教室
出席:(造形)粟野、糸長、大山、小野、折原、蒲、清水、坂本、鈴木、高澤、三澤、松田、谷中、山本
         (上智)日置、吉越

■本日の机配置
今回の教室は机が動かせない状態だったので、配置は変えず前の方に集まるという形でした。














プレゼンには適した環境だったのではないかと思います。
粟野先生に仕切っていただき、続いてみんなが意見を言うという流れで、
みんな同じ方を向いて授業のような形だった為、やはり話し合いには
向かないかなと思いました。   


■本日のテーマ 「地元の昔話、興味を持っている地域の神話、宗教の聖典にみられる訓話」
題材は自由。ひとつの物語を掘り下げたり多様化・発展させて、何か物語を紹介する。
ということで、それぞれ本やプリントを使ってプレゼン→話し合いをしました。


まずは福井出身の高澤さんから、地元の変わった習慣や言い伝えをお話してもらいました。
・観音様のおすすめ…村人が隠れて作っていた玄米を収穫し、それをおかゆにして腹一杯食べる。という習慣。
食べていると「観音さんのーおーすすめーんめーん!」と言いながら、容赦なくおかゆを継ぎ足していく、というもの。(椀子そばを連想してしまいました。)
・ごんぼこう…とにかくごぼうを山盛りにして、それを
食べる。という習慣。












量がおかしいです。お供え物?に何か関係がありそうですね。
・雨乞いの儀式…雨不足に悩んだ時、池にいるといわれている牛の神様を引き寄せる儀式。
「雨降らせー雨振らせー降らさんと湯の花に返すぞー」とみんなで言うらしい。
これは実際に高澤さんも体験したそうです!
その他、福井の昔話や「まんじゅうこわいぞ!キノコヴァージョン」など、地方独特の興味深いお話が聞けました。

次に、幼少期広島に住んでいた三澤くんのお話。
・厳島神社 揺影絃耀(ようようげんよう)や日陽・月陰について
日本は無信仰と言われてはいるが、やはり物語と宗教は深い関係にありますね。

続いて、松田さんも地元・千葉県の日秀神社を紹介してくれました。
・日秀っ子は成田山新勝寺に行ってはいけない!対成田。→平将門が戦に負けてしまった歴史と関係がある。
ここの神社には、成田の方角にそっぽを向いた地蔵があるそうです。
日秀っこは"成田の家紋に似ているから"という理由できゅうりの輪切りを食べてはいけない、という言い伝えもあるんだとか。

上智大からは、吉越さんが末子成功譚についてお話してくれました。
・世の中の物語には、末子が上手くいくパターンが多い(例:シンデレラ、3匹の子ブタ、山なし鳥...)
これは、末子に夢を与えよう という道徳的な考えからきているのではないだろうか。
そして単純に物語には反転や波があって、"弱い物が勝つ"方がおもしろいからではないだろうか、という意見も。
確かに、お金持ちの女の子がよりお金持ちになっても何もおもしろくない。
逆にロードムービーのように、何もなくただ淡々と進んでいく物語も生まれた。

坂本さんは、以前住んでいた草加の名物"草加せんべい"ができるまでの昔話。
・草加せんべいは、昔街道沿いにあったお団子屋さんが、夏の売上に悩んでいるときに、立ち寄った旅人から「つぶしてみれば」とアドバイスをされてできたらしい。
食文化から広がったお話も各地域にたくさんありそうですね。

最後に鈴木さんから、トイレの花子さんについてのお話。
・本名「ハセガワハナコ」/牛乳嫌いがそのまま白嫌いに繋がった。/花粉症/勉強ができなかったらしい…などなど。
こういった都市伝説的な物語も、フィクション・ノンフィクションに関係なく掘り下げるとおもしろいなと思いました。


という流れで、あっという間に17時になりました。
物語は山沿い、海沿いなど環境がせめぎあう所、違う文化が流れてくる場所で生まれやすいもの。
それが同時多発的に広まったり、伝わるうちに段々変化してまた新たな物語が生まれるのでは、という感じでお開きになりました。

大雑把に書いたので、せっかく話してもらったお話が違っていたら申し訳ないです。
みなさん写真アップしたり訂正したり、フォローしてもらえると嬉しいです。

以上、議事録係のイトナガでした。お疲れさまでしたー!

2009年5月6日水曜日

第3回議事録

日時:2009年4月28日(火)15:00-18:30
場所:桑沢デザイン研究所 会議室
出席:
(造形)粟野、糸長、小野、折原、坂本、鈴木、高澤、橋本、三澤、谷中
(上智)日置、吉越、秋山、椙田、 


■本日の机配置
今回はこのような机の配置で話し合いをしました。
 
前回は四角形でしたが、この日は三角形です。
 
話し合い終了後、多くの人がこの配置は話しやすかった。と口にしていました。
 
ただし、二回目の話し合いということもあり、単に前回より場慣れしたために発言の数が増えたとも考えられるので、この机配置が話し合いの場において前回より優れていると言えるかはまだわかりません。

  
■本日のテーマ「私は何を語ればよいでしょうか」


まずは皆が話題を提供→その話題に対して結論はでなくてもよい
しかしその話題に対して些細な事でもかまわないので一人一人何らかの反応をすべきである  という形で話し合いが行われました。
 
●上智の方々による話題提供
・今回はwebによる絵本プロジェクトということで話が進んでいるが、webでやることは紙でもできる気がする。
・webでやることに明確な理由はなく、ただ単にやりたいからやっているようなところはないか。
・本当にwebでやることに意味があるのかどうか。
・どうせやるならwebでやる理由を探したい。  
  
この話題に対する各々の考え
  
webのメリット
 ・紙は渡されたものを見るだけだが、webはクリックしたら反応が返ってくる。
・webはまだ未知のもの。大きな可能性があると思う。
   
webのデメリット 
 
・サーバーがなくなったり、更新がないとなくなってしまう。
 
紙のメリット
 
・紙はこの先も残っていくものである。
・参照性がある。辞書などを見ているときに周りの単語にも目がいく。新聞を見ているときに周りの記事にも目がいく。等々。
 
紙のデメリット
 
・資源の問題等でこの先なくなるかもしれない。
 
 
といった感じでみんなの意見を言い合いました。
 
もっと煮詰めていけばおもしろい意見が出てきそうな話だと思いました。
 
webか?紙か?という話題は学校の授業でも色々な先生が取り上げたりするのでおもしろい話題だったと思いました。
 
  
この話題はここで切り上げて次の話題
 
●鈴木さんによる話題提供
 
・人間は直立二足歩行をするようになったことにより生態が大きく変化した。
・出産が困難になり妊娠が長期化。
・長期化したことによってお腹に赤ん坊がいることを強く意識したのではないか。
・直立したことにより感情が生まれたといえるのではないか。  
 
みんなの考え 
  
・直立しただけで人間の生態が色々と変わるのはたしかに不思議に思う。
・ではなぜ感情が生まれるか。・人間は生きることに関して最も感情が動くと思う。・恐れ、感謝の気持ちが自然へ向かう。
・自分より上の存在をつくる。・目に見えないもの→現象を神とした。・見えないものがあるから想像をする。・抽象的な思考。
 
 
人間の感情

想像

未知のもの



宗教 
 
 
といった感じの話の流れで宗教についてそれぞれの考えを話すことに 
 
・無宗教だが、気づいたら神頼みしていたりする。
・日本は葬式仏教。
・信仰してはいないが茶碗に箸を立てたりはしない。 
・縁起がよくないと思ってしまうことがある。
・普段の生活の中での価値観がいくらか宗教に影響されているように思う。 
  
 
キリスト教について
 
・ミサに行くとクリスチャンネームで呼ばれる。
・クリスチャンネームで呼ぶことによって汚れを落とし、洗礼される。
・クリスチャンネームで呼ばれるのはクリスチャンの世界に入っていくことになる。
・クリスチャンは死を恐れない。
・死が近くなっても怖くない。
・死ぬことは神様のところへ行けるので祝福される。
 
 
 
宗教の起源について(日置さん、粟野先生のお話より)
 
・集団の団結を強めるために宗教を使う。
・物語にすると人々はそれを信じてしまいやすい。
・時の政権に乗っ取って都合の良い物語を作ってしまう。
・時にはそれが歴史になってしまう。・広める際に、地元の物語も取り入れながら広められた。・鬼の形相などと言うが、異形の人の姿が鬼に見えたのではないか。
・昔は異形の人を神として崇めていたのではないか?風神、雷神など。 
 
人はなぜ神を信じるか(日置さんの考え)
  
・前世の不条理を受け入れるため。
・来世に生まれ変わると思い込ませるため。
 
 
おそらくこのような話の流れだったと思います。
僕自身宗教に関しては無知な部分が多いので、自分の意見を述べることはほとんどなく、話を聞くばかりでしたがおもしろい話でした。
人間の歴史を語る際、宗教は絶対に外せないところなのだと痛感しました。
 
 
以上、第3回議事録係三澤でした。

2009年4月22日水曜日

第2回議事録

日時:2009年4月21日(火)15:00-19:50
場所:桑沢デザイン研究所 会議室
出席:
(造形)粟野、糸長、小野、折原、清水、鈴木、松田、三澤、
(上智)日置、吉越、秋山、椙田、山口

■会議室のデスクの置き方について
「プロクセミクス(人と人との距離感)について考えてみよう」
会議の前に、会議をする上で最適なデスクの置き方をみんなで考えて並び替えを行いました。
当初は会議室全体を囲むようにロの字型で固定されていました。

とりあえず学生みんなで考え、移動した結果がこのお見合い型の配置。


ところが、これは真正面から見た人間とは距離感が近くなったとはいえ
斜めの人間とは距離が一番遠く感じられ、ディスカッションには不向き。


粟野先生のご指導のもと、次に配置したのは「ロの字型縮小ver.」
これなら真正面、真横、斜めの人間からも一定の距離感を保つことができます。
お互いの顔が真正面、横から見ることができるので会議に参加しやすくなりますね!
また、このディスカッションでさまざまな配置の提案があがりました


コの字型、三角型、V字・・などなど。
このデスク配置の移動を通して、
プロクセミクスとスペースはデザインできるということがわかりました。

■自己紹介+プレゼンテーション
お互い初の顔合わせということで上智のみなさんから自己紹介と特技の発表、
造形のみなさんからは作品をプレゼンテーションする形で自己紹介を行いました。

■21世紀型の情報とは?(日置さんのお話より)
・「世紀」とは数年たってから終わる。
・ミレニアムが過ぎたからといって20世紀が終わったとは限らない。
・19世紀→数年が経ち、「王政」が終わった=19世紀の終了=20世紀の始まり
・つまり、21世紀はこれから始まる

■68年〜70年の歴史の話
・68年代は変わり目の年。
オーソライズ【authorize】されることが目的とされた文学、新劇(ムーブメント)
・ベビーブーム世代、スチューデントパワー(学生運動)
・経験主義の文学が出現
・ビートルズ、ストーンズの人気
・ベトナム戦争、アメリカングラフィティ
・ドイツの東西分裂、フランスの植民地戦争
・若者は戦争の存在によって、価値観がねじれる
・苦しい現実から逃れるためドラッグが流行る
・70年になると、完全に一体感が消える(スピルバーグetc)
・インテリジェンス(知性)を最大の価値として見ている70年代

【デザイン方面】
・サイケデリックムーブメントの発生
・アンダーグラウンドカルチャー作品(魔術的なもの、ゴシック、バロック)

■書籍「情報の歴史」を読む(粟野先生からのお話)
・年表から情報を読みとる
・プリント参照のもと、人類と脳の進化について年表から学ぶ
・人類はどのように情報を記録し、伝達しはじめたのだろうか?
・イデオグラム(思考文字)・・・テレパシー?
(※参考:手塚治虫の「火の鳥」を読んでみよう!)
・フォノグラム(音声文字)/子音の発生
・ピクトグラム(刻線画)
・人類の脳の他、並行して石器の技法や儀礼と信仰も年表から読みとる
・※食人儀礼、丹色信仰etc

■マネージメント確認
・スカイプ
・メーリングリスト(グーグルグループ)
・ブログ(ブロガー)→議事録係を毎回指名します
・webサイトの立ち上げ
・MD研究(絵本プロジェクト)専用のノートをつくること


次回予告
4月28日(火)桑沢デザイン事務所にて 14時スタート
午後の時間をコアタイムとします。上智大学の方の授業の都合等により
若干メンバーの入れ替えがあります。次回は、
「情報の歴史」の年表を起こしとして、個々に受け止めた感情をオープンにしてみましょう。
物語をつくってもよし、レポートを書いてもよし、調査をしてきてもOK
それぞれが年表を読んで感じたことを形にして発表しましょう。

以上、議事録係:すずきでした!

第一回議事録

日時:2009年4月14日(火)13:20-16:30
場所:7-406
出席:粟野、糸長、大山、小野、折原、公文、坂本、清水、高澤、橋本、松田、三澤、谷中
書記:粟野

■(仮称)絵本プロジェクトについて
上智大学有志による次世代編集研究会Editonのメンバーとのコラボレーションで、webで発表・流通させられる「物語」を制作する。
Editonのメンバーは「編集者」、造形大メンバーは「作者」と固定すると「発注/受注」の関係に陥りやすく、それは避けたい。もっとインタラクティブな共同創造作業(お互いの立場が入れ替わるような)を模索し、誰かが損得を感じるようなグループワークではなく、誰もが個々に利を取って参加できる、よい意味でのエゴイスティックな集団となりたい。
「絵本」という名称により、いわゆるみんなが知っているpicture bookのフォ−マットに捕われないよう、小手先のバリエーションでお茶を濁すことのないよう、(結果、既存のフォーマットを採用したとしても)新しい発見や最適で必然がともなう提案となるよう、スタート地点の今は、勇気を持ってモヤモヤ状態にする。
次回、Editonとの合同会議では「情報の歴史」、私たちはいつ、語り始めたのか、いつ、記録し始めたのか、物語を語り伝えるという人類の仕業の始まりを探り、考えるところから始める。
Editonはこの3ヶ月のワークショップで企画書をたてているが、いったんそれは封印して、何もないところから何かが立ち上がってゆくプロセスを一緒に体験していきたい。


■コミュニティの創造と維持
tele-communication
有効化のためのネットワーキング
tele:-gram, -vision, -phone, -pacy,,,,
1)コミュニケーション・ツールで思いつくものをリストアップ
・直接会って話す
・電話
・手紙
・テレビ電話
・伝書鳩
・手旗信号
・モールス信号
・狼煙(のろし)
・テレパシー
・糸電話
・FAX
・skype(インターネット電話)
・電子メール(パソコン、ケータイ)
・チャット、BBS、メッセンジャー
・SNS
・グラフィック・チャット(共有手描きボード)

2)
電子会議ツールとしての利便性を評価
・電話(スピーカフォンで複数名で使う)
○素早い、直接
×番号にかける手間、顔が見えない

・skype
顔が見える、動画、いつでもどこでも無料、文字でチャットも、大人数で使用
×使ったことがない人がいる

・SNS
日常的にログインする習慣(mixiは登録している人が多い)→遊びの「ついで」に便利
アドレスを知らなくても連絡できる
画像を使いながら話せる(書き込める)
考えてから書き込める
記事を項目整理で残せる
フォトアルバム等
スケジュール共有ができるサービスも
×普及しているmixiは一人1アカウントのためプライベート使用と区分けできない
×電話とメールで足りる

・電子会議室
○ログインタイムが記録されるため、記事を見たかどうかが確認できる
○わざわざ、だからこそかしこまった雰囲気
○携帯でもパソコンでも運用できる
×わざわざIDとPWを取得するのが面倒→遊びの「ついで」にならない
×以前使用した電子会議室は、mixiと同じく、新規メッセージの投稿アナウンスメールだけがメンバーに届き、メンバーはログインして内部で記事ごとにツリー状に整理された記事の末尾にメッセージをつなげる形式だった。記事が埋もれやすく、またすぐにログインできない環境に居る場合はレスポンスが遅れる。


・メーリングリスト
全員に一斉告知しやすい
みんなすぐに使える
報告事項に適している
履歴が残る、保護ができる、持ち歩ける
特別に会員登録等が不要
×受身、返事が帰ってこない、返信のタイムラグ、
×自分に話しかけられている感じがしない
×読まれているか確認ができず不安

3)当プロジェクト運営では進捗諸相に応じて5段階を使い分ける
・直接会って話す
始動後しばらくは面識を深め、企画への意思疎通や共通理解を確認する
・skype
クイック・レスポンス
一カ所に集まれない場合で相談内容がまとまらない場合や急いで決断したい場合
・メーリングリスト
審議事項を投げかけ、熟考して回答する必要がある場合
・ブログ
アーカイブ(テキスト、画像、参照先URL等)
会議ごとの議事録と進捗状況を逐次公開してプロジェクトの存在を一般に予告する(要検討)
議事録に対しメンバーのコメントを集めて相互に認識を確認する
資料、参考事例等の情報交換とアーカイブ
・ホームページ(ウエブサイト)
完成品を広報するポートフォリオ・サイト